再生医療バイオセラピー Regenerative Medicine Bio-Therapy
バイオセラピーとは・注目される理由

一歩先の選択肢となる再生医療
再生医療バイオセラピーは、患者さま自身の「治る力」を最大限に引き出すために、血液・細胞に含まれる成分を活用して組織修復を促す治療法です。
薬で痛みをごまかすのではなく、損傷した腱・靭帯・軟骨・筋肉などの組織そのものを回復へ導く点が特徴で、 スポーツ医学や整形外科分野で近年大きく注目されている治療の一つです。
国内外の研究でも、変形性関節症、靭帯損傷、腱障害、肉離れ、慢性疼痛といった 幅広い疾患で効果が報告されており、 アスリートの早期復帰を支える治療としても広く導入が進んでいます。
従来の保存療法では改善しにくい症状に対して、一歩先の選択肢となる再生医療。
身体が本来持つ修復力を活かし、より根本的な改善を目指す先進的な治療法です。
滑膜幹細胞治療― 軟骨・半月板を再生し、変形性膝関節症に新たな選択肢を ―
滑膜幹細胞治療は、「手術を避けたい」「人工関節に進みたくない」「もう一度思い切り歩きたい」
という方にとって、希望を現実に変える再生医療です。
当院では、MRI・エコー・再生医療・リハビリを融合した統合的な膝治療システムで、軟骨の再生と機能回復を目指します。
関節を「再び動ける状態」に導く次世代再生医療
再生医療の中でも、軟骨・半月板の再生は世界的に最も研究が進む分野です。
これまで軟骨再生医療は外傷性の軟骨欠損に限られ、関節鏡による手術を伴うことが一般的でした。
当院が導入している滑膜幹細胞治療は、そうした手術を必要としない、より低侵襲で実現できる再生医療です。
日本国内でもまだわずか13施設しか導入されていない、最新の再生医療技術です。
滑膜幹細胞とは
関節の内側を覆う「滑膜」には、滑膜幹細胞(Synovial Mesenchymal Stem Cell)と呼ばれる細胞が存在します。
この細胞は、軟骨や半月板と同じ起源を持ち、非常に高い軟骨再生能力を示すことが分かっています。
研究では、一般的に行われている脂肪由来幹細胞よりも、滑膜幹細胞の方が軟骨を新たに作る能力が高い可能性が報告されており、より自然に、より強固な軟骨再生が期待できます。
関節鏡を使わず、エコーガイドで滑膜を採取
従来は関節鏡を用いて滑膜を採取する必要がありましたが、当院では関節鏡を使わずに、エコーガイド下で滑膜を安全に採取します。
皮膚の小さな針穴から採取を行うため、手術痕がほとんど残らず、入院も不要。
採取後の疼痛や合併症リスクを最小限に抑えた、低侵襲な治療が可能です。
治療の流れ
診察・検査
問診・画像検査・採血を行い、治療の適応を確認します。
採血(外来)
約400mLの血液を採取し、滑膜幹細胞の培養に必要な「自己血清」を作成します。
滑膜採取(外来)
エコーガイド下で局所麻酔を行い、わずか0.5g程度の滑膜を採取します。
関節鏡手術は不要で、当日帰宅が可能です。
培養(約2週間)
採取した滑膜を自己血清を用いて培養し、滑膜幹細胞を増殖させます。
滑膜幹細胞の注射(外来)
培養した幹細胞を膝関節内に注射します。
施術時間は約30分〜1時間で、入院の必要はありません。
フォローアップ
注入後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月に診察を行い、MRIや臨床評価で経過を確認します。

期待できる効果
- 軟骨・半月板の再生促進
- 膝の痛み・腫れの軽減
- 関節機能の改善
- 軟骨摩耗の進行抑制
- 人工関節への移行を遅らせる可能性
治療対象・費用について
変形性膝関節症 (保存療法で効果が乏しく、手術を避けたい方)
850,000円(税込)
※自由診療(保険適用外)
※生命保険等の先進医療特約対象外
当院の滑膜幹細胞治療の特長
- 関節鏡を使わずエコーで採取 — 身体への負担が少ない
- 脂肪幹細胞より軟骨再生能力が高い可能性
- 全国13施設のみ導入の最先端治療
- 入院不要・日帰りで実施可能
- 科学的根拠に基づいた安全管理体制
研究・エビデンス
滑膜幹細胞を用いた治療は、東京大学・産業医科大学をはじめ国内外の研究機関で臨床研究が進んでおり、
軟骨・半月板再生を目的とした有効性が報告されています。
主な関連論文:
- Sekiya I, et al. Cell Transplant. 2019
- Nakagawa Y, et al. Osteoarthritis Cartilage. 2015
- Ozeki N, et al. Osteoarthritis Cartilage. 2016

