肉離れ

腸腰筋筋損傷(肉離れ)

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肉離れの中でも腸腰筋の肉離れに関して解説しています!

少し専門的な用語も入っておりますので、

こちらの記事「肉離れ 総論」で
概略を掴んでから読むのがおすすめです!
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こちらで概略を学んでください!!
肉離れ 総論
肉離れ 総論

腸腰筋筋損傷(肉離れ)とは??

鼠径部という言葉をご存知ですか?

鼠蹊部というのは太ももの付け根股関節のことを言います。

上の図に示すあたりのことを言います。

スポーツ選手で時々ここを痛がる選手に遭遇します。

その総称を鼠蹊部痛(グローインペイン)と言います。

その時に鑑別に上げないといけない疾患の一つがこの腸腰筋肉離れです。

この腸腰筋損傷は鼠蹊部痛グローインペインの

約20%と言われております。

Weir A, Brukner P, Delahunt E, et al. Doha agreement meeting on terminology and definitions in
groin pain in athletes. British Journal of Sports Medicine. 2015; 49: 768-774.

腸腰筋肉離れの分類

この腸腰筋筋損傷(肉離れ)には

大きく分けて二つのタイプがあると報告されています。

引用:日本臨床スポーツ医学会誌:Vol. 31 No. 2, 2023. 杉山貴哉
https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/31-2/282-289.pdf

この肉離れタイプ腱周囲炎タイプの2タイプがあると報告されています。

近年杉山らの報告によってこの2種類のタイプがあると報告され

この2種類のタイプは治療に関していうと
復帰期間が若干腱周囲炎タイプの方が長くなる
と報告されています。

具体的にはこのような数字が報告されています。

引用:日本臨床スポーツ医学会誌:Vol. 31 No. 2, 2023. 杉山貴哉
https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/31-2/282-289.pdf

腱周囲炎タイプの方が競技復帰期間に関して約14日遅れて復帰する
ことがわかります。

また腱周囲炎タイプの方が疼痛自覚から病院受診までの期間が長く、ひどい症状でないことが多いが遷延しやすいということがこの報告からわかると思います。

腸腰筋筋損傷はどんなスポーツで起こるの??

腸腰筋筋損傷の損傷しやすいスポーツはサッカーが圧倒的に多くその次は陸上競技になります。

私の場合はチアリーディングなどでも見たことがあります。

引用:日本臨床スポーツ医学会誌:Vol. 31 No. 2, 2023. 杉山貴哉
https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/31-2/282-289.pdf

腸腰筋筋損傷の治療方法

まずは疼痛が取れるまでは安静でいなければいけません。

徐々に安静時痛が取れてきたら負荷を上げていきます。

まずは歩くところから始めます。その後歩くのが問題なければ腸腰筋を使って片足立ちができるかを確認します。

この時に腸腰筋をうまく使うことができず足を上げると骨盤が傾いてしまうので要注意です。

腸腰筋を使おうとすると痛みが出るようならまだその動作はNGです。

ずっと休んでいるわけにはいかないので患側を軸足として臀筋を使ってしっかりとした片足立ちができるかなどを指導する必要があります。

そして腸腰筋を収縮させても痛く無くなってきたら徐々にストレッチを痛みの無い範囲でかけていきます。

ストレッチをかけていき疼痛が取れるようなら次はエキセントリックな筋肉トレーニングを開始して受傷前とほぼ同じパフォーマンスで健側と同様に使えるようになれば復帰です。

大体ここまでが1ヶ月から2ヶ月かかる印象です。

その後もちろん再発しないように体の使い方や柔軟性などはしっかりと改善する必要があります。

腸腰筋筋損傷(肉離れ)まとめ

・鼠蹊部に痛みが出てくる

・肉離れタイプと腱周囲炎タイプに分けられる

・肉離れタイプはサッカーで多く走行動作やキック動作で受傷しやすい

・腱周囲炎タイプは疼痛自覚から受診までの期間が長く陸上競技で多い

・腱周囲炎タイプは肉離れタイプより復帰まで時間がかかる

・競技復帰に向けては疼痛に応じて徐々にレベルを上げていく

他にも様々なスポーツ損傷に関する記事を上げているので要チェック!!

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Drシロー(岡崎史朗)
Drシロー(岡崎史朗)
日本整形外科学会専門医/三栄会広畑病院整形外科医長 プロスポーツチームDr
姫路で整形外科医/スポーツDrとして日々苦しむ患者様のために奮闘中 わかりやすい説明と適切な処置でたくさんの悩む患者様やアスリートを救う    
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