前十字靭帯損傷手術方法《待機時間 靭帯再建編》
前十字靭帯損傷の手術
前十字靭帯損傷は基本的に保存加療という形で自然に治ることは期待できません。
切れてしまった前十字靭帯はもう一度修復されることは基本的になく緩い膝のままと言われています。
なので、基本的に手術が必要な怪我であることを知っておきましょう。
手術をする上で知っておかないといけないことが2つあります。
- 前十字靭帯損傷の手術はすぐにはできない
- 前十字靭帯損傷の手術は縫合術ではなく再建術
なんで、すぐに手術してはダメなんだ???
前十字靭帯損傷の手術はすぐにはできない
前十字靭帯損傷の手術は受傷から基本的に1ヶ月以上待たなければ手術ができません。
その理由は損傷した直後は炎症が強くて膝がパンパンに腫れているからです。
前十字靭帯損傷の手術自体かなり膝に侵襲が強く、手術後はすごく膝が腫れます。
なので受傷直後に手術をしてしまうと膝の腫れがすごいことになってしまい、
手術直後に膝を全く動かすことができなくなってしまい、
リハビリができず、膝の機能が回復しないことがあり得ます。
また、炎症が強いと再建靭帯の修復に影響が出るとの報告もあります。
なので原則、1ヶ月以上待ってから
手術をしないといけません。
靭帯縫合ではなく再建術
実は損傷した靭帯は縫合してもあまりいい靭帯にならないことがわかっています。
実際に過去には縫合が行われてきたのですが、
縫合術が行われた患者様の膝は結局グラグラな
不安定感の強い膝になってしまったと報告されています。
これは伸び切って弾力性がなくなったゴムをつなげても伸びたゴムでは
弾力性がないのと一緒ですね。
なので、一度切れてしまった靭帯は全て除去してしまい、
新たな前十字靭帯を再建しなければなりません。
では、どうやって新たな前十字靭帯を作るかが重要な事項になってきます。
大きく分けて3つの候補が再建靭帯の材料にあります。
- ハムストリング
- 膝蓋腱
- 大腿四頭筋腱
Berrien Chidsey 作成 2017年 Regents of the university of Colorado
この3つの靭帯のどれかを使って前十字靭帯を再建します。
それぞれどの靭帯を使うかに関してはまた別の記事で詳しく解説します!