前十字靭帯損傷

前十字靭帯損傷 はじめに

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前十字靭帯とは

前十字靭帯は膝の中に存在する十字靱帯の前側の靱帯です。

この前十字靭帯は大腿骨(太腿の骨)の後方から

脛骨(すねの骨)の前方につく靱帯で

脛骨が前方に飛び出すのを制動する役割があります。

前十字靭帯は脛骨が前に出るのを抑制している!

前十字靭帯の受傷起点

この前十字靭帯はスポーツをしている時や高いところから降りた際に膝をひねることによって損傷します。

実際にサッカーのマイケル・オーウェン氏が受傷した際の映像があるのでご覧ください

前十字靭帯は膝を捻ることで受傷する

実はさらに詳しいことを説明するとこれは医療従事者でACL診療に携わる人だけでいいと思いますが、東京医科歯科の古賀先生から2010年にACL受傷起点に関して論文が出ています。

ACLの詳しい受傷起点
  1. 膝に外反力が加わる
  2. MCLが緊張し外側コンパートメントに圧迫力がかかる
  3. この圧迫力と脛骨の骨形態(脛骨外側の後傾)で大腿骨外顆が後方に偏位
  4. 脛骨前方移動および内旋が
  5. ACLが損傷する
  6. ACL断裂により脛骨前方引き出しに対する抵抗が消失
  7. 足部が地面に固定されていることも相まって大腿骨内顆も後方に偏位
  8. ACL断裂後に脛骨外旋する(toe out

(Koga H, et al. Am J Sports Med 37. 2010)

前十字靭帯が損傷するとどうなるの??

  1. 膝の不安定感が強く、走ったりするときに不安感が強い膝が抜ける感じがする
  2. 膝の痛みが長く続く
  3. 半月板や軟骨が損傷する
  4. 最終的には変形性膝関節症になってしまう

①膝の不安定感が強くなる

膝を支えている靱帯が切れている状態なのでどうしてもこの症状は出てきてしまいます。

特に下腿(すねの骨)が前に抜ける感じがして走りにくいといった症状が出てきます。

②膝の痛みが長く続く

靭帯が切れた時の痛み自体は2、3週間程度で落ち着いてきます。

しかし、不安定な状況が長く続くとどうしても膝に負担がかかり痛みが出てきてしまいます。

③半月板や軟骨が損傷

不安定な膝の状態で歩いていたりスポーツを行うと

膝の中にあるクッションの役割である半月板や軟骨がどうしても傷んできてしまいます。

実際に傷んでしまうと痛みだけでなく変形性膝関節症になり取り返しのつかないことになります

④変形性膝関節症になる

前十字靭帯を放っておくと
変形性膝関節症になるリスクが高まります

普通と比べて3〜4倍変形性膝関節症になりやすいと言われています

ガイコツ君
ガイコツ君

前十字靭帯断裂放っておくと

怖いんだな・・・・・

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Drシロー(岡崎史朗)
Drシロー(岡崎史朗)
日本整形外科学会専門医/三栄会広畑病院整形外科医長 プロスポーツチームDr
姫路で整形外科医/スポーツDrとして日々苦しむ患者様のために奮闘中 わかりやすい説明と適切な処置でたくさんの悩む患者様やアスリートを救う    
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